HIDEBOH
COMMENT

本作のストーリーを聞いて、夢を見ているような気持ちになりました。両親から受け継いだタップダンスを僕も若い頃からずっとやっているんですけど、日本で芸術を追いかけるにはなかなかハードなところもあって。自分の若い頃の苦労がオーバーラップするようで、感慨深かったです。

作中のタップダンスの監修振付を担当しましたが、最初の段階から監督の演出は明解でした。ショウの構成、各曲の人数などまで確立されていたので、監督のイメージに沿う形で、スムースに楽しみながら作っていきました。「春夏秋冬」というショウのテーマはつまり、タップダンスという言葉を超えた表現で、世界の人に“日本とは何か?”を感じてもらうこと。日本の良さを出しながらも、日本人的リズムにはしないように意識しました。
クライマックスの『感動のダンス』は、本来ならば手拍子を入れたりして、間を作るところですが、監督からNGが出ました。「限界を超えないと、感動のダンスにはならない」とおっしゃるので、バランスを度外視した、過度な振り付けでステップを追求しました。一堂に会したダンサーのパワーが、一心不乱に極限に立ち向かっていく。さらに監督のリクエストで、もともと2分30秒だった曲が、3分30秒に延びて! 僕も大分練習しないとできないほどのダンスを(5人のダンサーは)クリアしてしまうのだから、人間ってすごいですよね。本作に参加して、全身を使って感情を表現する、タップの魅力を俯瞰することができました。タップとは技法に過ぎず、生き物の大本なんじゃないか、と改めて感じています。
いい意味で遠慮なく意見を言ってくださる監督や(撮影監督の)会田さんたちと一緒に、新しい表現を模索する時間は、ただただ嬉しいものでした。少年のような二人の姿に、自分もこういうピュアな気持ちを持ち続けながら、ものを作っていく、カッコいい大人になりたいと思いながら、夢中で取り組みました。

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